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スバル・WRX STI タイプS
Posted: 2014年8月30日 21:35 インプレッション

目を閉じて乗れるなら究極のグランツーリスモ。

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相変わらず、戦闘的な見た目に反してジェントリーなグランツーリスモで、このクラスの車の中ではダントツで優れた素性を持つ車と言えよう。

正直なところ、この車はフルノーマルが一番よい状態と思うし、弄ってこの良さを消してしまうのは大変もったいないと思う。

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ただまあそれを許してくれない見た目の質感の低さはなんとかせいと思うんだな。

エクステリアに関して言えば元々ハッチバックが基本だったところに無理やりセダンを追加したせいで東南アジア向けの安セダンに羽根を付けたものだった先代と比べれば、セダンの方もちゃんとデザインし直した今回はマトモなスタイリングにはなったし、以前よりは厳つい感じも薄くなって万人が乗っても恥ずかしい感じも薄くなった。

けれども、やっぱりレヴォーグのカーゴスペースを切ってトランクを付けたもの感・或いは常にユニホームを着てるような緊張感があって、羽根がないとちょっと格好悪いし、何分のんびり走るにはまだ厳つすぎる。
そもそもずんぐりむっくり過ぎて18インチ履いてるはずなのに16インチくらいに見えるっていう。

インテリアもレヴォーグとかインプレッサ辺りと全く変わってなくて、その辺りの仕立てが250万の車と一緒なわけである。

いや、デザインは一緒でも構わんと思うのだが(実際外車だってMやSが付く車だってベース車とデザインは一緒だ)、コーディネートとかでもうちょっと上手くやれるはずなのにまだスバルはその域に達していないと見るべきなんだろうなぁ。

装備的に見れば何故かパワーシートが付いてたり、オートライト・オートワイパーがあったり、左右独立エアコンだったり、400万クラスの上級車としてもやっていける装備があるんだが、それよりもおもちゃみたいなMIDの方が悪目立ちしていたりして、それが付いてるように思えないっていう。

だからスバルも思い切ってもうちょっとあざとく演出すればいいと思うし、実際走りの上質さを見れば高級装備を取り揃えて、これみよがしに高級車顔して、アウディSシリーズみたいに振る舞ってもいいと思うんだが。

そうじゃないと、敢えてWRXと車名を変える意味合いも薄く、どうしてもものすごく速いインプレッサ、もしくはレヴォーグセダンていう印象を拭うことが出来ないんじゃないかって。

ただ、この手の車でそれなりに上級感にも配慮して・・・というとランエボXが既にそれをやっていて、快適装備も充実させて500万オーバーのグレードとかも選べるんだが、その辺りが全くアピールになってなかった辺り、この辺りのラリーカー上がりのスポーツモデルって難しいのかもしれない。

まあ実際、同じくラリーの雄的存在だったアウディはプレミアムカーとして脱皮するにあたって、体育会系ムキムキマッチョメンなイメージは捨て去っているわけで。

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メカニズムの面で言えば、STIの方は何故か古式ゆかしいEJ20のままである。
(S4の方はFA20になった)

とはいえ上まで綺麗に回る回転フィール、ターボの存在を感じさせないレスポンシブなブーストの立ち上がりはそのままに、以前はちょっと苦しかった低速も改善されていて、そのエンジンの仕上がりは円熟の極みと言えるんじゃないだろうか。

このエンジンは全開加速のパワーフィールだけじゃなくて、街中でもドライバーの意志に応える素直さ、そして全開を踏まなくても分かるドライバビリティを是非味わっていただきたい。

そして相変わらず排気音はこういうスポーツモデルなのに敢えて抑え込んである。
この辺りの見識もWRXって面白いところだと思う。

でも勘で変速してると常用回転域が2000〜3000回転くらいになり、街中でも簡単に5速6速まで入ってしまうギア比も相変わらずなんで、この辺りはちょっともったいない気もするけれども、スポーツモデルを名乗るならこれは外せないか。

ただシフトフィールは・・・前はこんなんだったっけ。

シフトストロークは詰められていてクイックではあるんだけど、なんかワイヤー感の強い渋く曖昧なフィーリングで、果たしてこれはシフトレバーの遊びなのかゲートをちゃんとなぞっているのか分かりづらくて、ギアポジションを間違いそうな感じで操作しにくいんですよ。

これは大きな欠点かなぁって。

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足回りはすごいねこれ。

前もすごかったけど、今度のはもっといい。

なにしろストロークがバッチリ出てるので、硬いけれども乗り心地が良いという、良い足回りのお手本のようなセッティングだ。

とにかく、路面のアンジュレーションとかを足回りがしっかり縮んで吸収し、そのリバウンドはがっちりと抑えこんである。
日本車はこれができてない車が多いんだよね。

流石に微細な入力に対してはゴムとかが硬いんだろうなぁっていうゴツゴツ感やキシミを消しきれてないけれども、これはまあ致し方がないところだろう。
けれども、ハーシュネスとして伝わる部分は完璧に躾けられているので、不快な部分は一切無いのである。

もちろん、タイプSだったからビルシュタイン×BBSっていう元々素性の良い部品を使っていることもあるけれども(ところでホイールデザインはRI-Dにそっくりだ)、少なくともレヴォーグ辺りとかだと「良いんだろうけど・・・」とちょっと納得がいかない部分の答えを完璧に出している。

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ドラポジ設計で言えば良くも悪くもインプレッサ・レヴォーグ辺りのまんまなので、すぽーちーな感じを期待するとなんだかカローラに乗っているようなまったりとしたドラポジになる。
この辺りはプラットフォームを共用する限界か。

あと、パワステの味付けがあんまり良くないね!

ほとんどの速度域でゴムを捻るような不自然な「渋い」重さで、操作性が悪いんだな。

単に重くするだけならアシストをしないだけの方がいいと思うし、もっと軽くても正確性の高いハンドリングはできると思うんだが、これは。

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だから、この車が売れる・売れないで言えばすごく難しい。

良い車なんだが、良いを見出す方向性によって、この車の魅力が大きく変わって見えるっていう。

だからラリーに出ず、そしてここまで上質な「走り」をするのなら、見た目もそれ相応に上質である方が自分的にはこの車としては好ましい方向性だと思うのね。

まあ、基本ボディをインプレッサとかと共用している以上は何分にも限界があるんだろうけれども、ある意味ではこういう派出車種的プレミアムカーだとライバルも一緒なので、もうちょい400万の車らしい頑張りが欲しかったというか。

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