- 2010年2月11日 22:44
- 自由研究
インフィニティQ45の新車解説書には面白いことが書いてある。
曰く、「ABSは最短距離で止まるためのもの」。
その説明の項にはこうある。
ブレーキペダルを次第に強く踏んで制動力を高めていくと制動抵抗係数またはスリップ率が大きくなっていきます。しかし、制動抵抗係数(制動力)が最大値となるのは、スリップ率が0.15~0.3付近であり、スリップ率が1.0(車輪ロックしたとき)では、かえって制動抵抗係数(制動力)が減少しています。
つまり、スリップ率が0.15~0.3付近になるように制動を持続すれば、制動距離は最短となります。
(中略)
従って、ブレーキの理想としてはどのような路面状態あるいは制動状態でも前後輪ともロックしないことです。(中略)ABSは、今まで説明したタイヤと路面間のスリップ率を検出して、最適な制動力となるようにコントロールし、最短制動距離及び制動時の走行安定性が得られます。
※脚注:本文では「ABS」の部分は当時のニッサンでの呼称である「電子制御4輪アンチスキッドシステム(4WAS)」となっているが、ABSと言い換えてある。現在「4WAS」と書くと、別のシステムになってしまうからね(笑
確かに、ABSが作動するくらい強力に制動している際にハンドルを切っても、車体は強いアンダーステアを示して非常に曲がりづらいように、ABSとは単に「ブレーキロックを防ぎハンドル操作を可能にする」だけではなく、その状況下で最も高い制動制御を行っていることが分かる。
(ABSが「曲がるための装備」ならば、ここできちんと曲がる程度にグリップ力を残す制御をするはずである)
また、「タイヤロックしないのが理想」というのは、理論的にタイヤグリップが無限と考えると、実はタイヤロックは発生しない。
この状態ではブレーキ力を上げれば上げるほど、ソレに従って制動力も伸びて行くわけで、つまりブレーキロックというのはタイヤの限界を超えたから発生するものなので、ロック状態では基本的に制動距離は本当の最短距離よりも若干伸びるのである。
Kカーカテゴリーのレースだったかで、普通軽には使わないようなハイグリップタイヤを履かせたら、ABSも無いのに全くブレーキロックしなくなったという話もあるが、これはタイヤの性能がブレーキを上回っているという意味で、ソレはその現象の一端である。
ただ、この当時のABS等の若干バカなところは、いくら「ロックしないのが理想」と言っても、極端に滑りやすい路面とかだと「滑った→制御→まだ滑る→制御・・・」の無限連鎖を起こす場合が時折あるということである(笑
(ABSではないが、最初期のTCSが雪道発進ができなかったり、カットスイッチがあるのはソレが要因)
そうなると流石に車は止まらない。
いわゆる、ABS否定派の方はこの点を取り上げているのだね。
(最近のABSはGセンサーとか追加したりして、曲がる・滑るの面もカバーしてるものもある)
とはいえ、本質的にはABSは名実ともに「止まるためのもの」、それを心に留めておいてほすぃ。
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