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History of INFINITI Q45
1993 マイナーチェンジ・後期型へ

独特の個性からファンには熱狂的な支持を得ていたQ45も、 市場ではレクサスLS400(セルシオ)が圧倒的な品質と快適性から最早世界的な高級車としての地位を築くのを尻目に低空飛行を続けていた。

そこで93年6月に行われたマイナーチェンジで独特の個性で売っていたQ45は大きな路線転換を図ることとなる。

この車の個性とされていた部分は販売不振の直接の原因とされて全て切り捨て、市場が求めるままの姿へと変貌する。 大きな七宝焼きのエンブレムはメッキに彩られたダミーグリルとなり、インテリアには漆を塗る代わりに本木目のウッドパネルが装着された。 スポーティな味わいを持ち味としていた走りも、静粛性や乗り心地といったコンフォート性にも少なからぬ配慮をした。

つまりは、それまで否定してた伝統的な高級車造りをベースとしたコンセプトへと転換したのだ。 そして、これ以降のモデルを後期型と呼ぶことになる。

しかし、ここまで大幅なコンセプトの転換を行ったにも関わらず販売は好転することなく、 年式が新しいにも関わらず販売台数は前期型とイーブンかむしろ少ないレベルに留まっている。

それはレクサスと比べて世間の認知度が高まらなかったことが原因か、 それとも純粋にこの車がデビューした当時の勢いを日産が失ってしまっただけなのかは微妙なところだ。


▲G50型インフィニティQ45(後期モデル)
全てがマイルドになった後期型。一般受けはやはり後期型の方が良いようである。



▲後期型のインテリア
基本デザインは全く変わっていないため、印象自体は前期型とは大して違わない。 しかし木目パネルや細部のデザイン変更といった要素は思った以上にイメージ転換には効いている。



▲後期型のシート
インテリアの中で一番変化を感じさせるのに大きな役割を果たしているのがシートである。 前期型と比べると、見た目から豪華さやサイズ感を漂わせるデザインに変更となった。

さて、後期型の主な変更点はまず外観の面ではフロントフェイスが前途の通り大きく変化した。

独特のグリルレス+七宝焼きエンブレムは消滅し、アクの少ない異型4灯ヘッドライトにダミーグリル、フォグランプはバンパーにビルトインされた。 その他にもメッキモール類の追加(前後ウインドウやリヤコンビネーションランプ周り等)など、シックな前期型に対して煌びやかな印象となった。

内装面でも、基本デザインは変わらないもののスポーティや個性的な演出は減り、代わって高級感を強調する意匠が取り入れられている。

一番変化を印象付けられるのがシートである。 サイドサポートの張り出しの目立つスポーティなものから何とも座り心地の良さそうな、 3分割のラグジュアリーなクッション部分を強調したデザインになっている。 ただそれだけでも随分と印象が違うものである。

その他にも、カップホルダーすら持たないとにかく硬派だった快適装備群に、 新たに高級車らしい「おもてなし」系の装備が多数追加されるなど、ユーティリティ面でも「人に優しい」高級車になった。 また、安全意識の高まりから助手席SRSエアバッグが安全装備が追加(オプション)されたのも大きなポイントの一つ。

内装面での一番の変化と言えば、個性の象徴とも言えたKOKONインスト&エッグシェルインテリアが消滅。 つまり、ホワイトレザーと漆塗りパネルが無くなったのだ。(52万円の18Kゴールドキーは実は最後まで設定が残っている)

そしてKOKON廃止の代わりに、控えめではあるが前期型では新たなる高級車の価値観として否定していた木目パネルが登場する。 この木目パネル、上位モデルのJG50型プレジデントが最後まで木目調で終わったのに対して、 Q45はマイナーチェンジ当初は本木目となっていたのだ。

グレード構成はパッケージオプションを選ばせるような感じだった前期型に対して、 上級モデルのタイプVと普及モデルのタイプRの一般的な2グレード構成となり、 タイプVには後席向けの装備を充実させたGパッケージやQ45の顔である油圧アクティブサスペンションが設定される。 とはいえ、タイプRでも装備の差は最小限になっており、事実上グレード間での差というものは無いに等しい。

メカニズムの点では大きな変更はなく、 VH45DE型エンジンの280ps/40.8kgmというスペックや4速のオートマチックトランスミッション、 4輪マルチリンク+油圧アクティブサスペンションという構成には変更は無い。

しかし、快適性への配慮などから更に車重が増大し、全車1800kgの大台を突破している。 また、トランスミッションは後期型からは1速発進となり、同時にギア比がY32ターボなどと同じものに変更された。 これにより、ジェントルな加速フィールが持ち味だった前期に対して、瞬発力に優れた発進性能を獲得している。

足回りも小改良が加えられ、前期型よりはコイルサス・アクティブサス共に サスペンションの各レートが落とされ、快適性重視のマイルドな方向へとチューニングし直された。


▲インフィニティQ45(US仕様)
日本ではマイナーチェンジを期に消滅したボディカラーも、 アメリカでは継続販売されていたものもあるようだ。 ちなみにこれはダークモーブとは全く違う色。

〜番外編・海の向こうのQ45〜
インフィニティは北米向けブランドである。

当然「北米仕様」というものがあるわけだが、これはどういう仕様かおさらいしてみる。

グレードはベースグレードのQ45、アクティブサス装着のQ45a、Q45aに対してリヤスポイラーやBBSホイールなど各種装備を追加したトップグレードのQ45tの3グレードとなる。 意外にも変更点らしい変更点は少なく、現地の規制に合わせた変更が少々行われている程度で、見た目の差は左側にハンドルがある以外はほとんど変わらない。

さて、北米仕様なのだが本国仕様と決定的に違うのがコイルサス車にはあのスーパーHICASと、クイックレシオのステアリングの設定があった。 Z-Car世代に向けた大人のスポーツセダンであったという、Q45の性格を強く匂わせるエピソードである。

あとはボディカラーなども本国では前期型のみに設定されていた系統のカラーが後期型になってからも何色か残っていたり、 フロントにシートヒーターの設定があったりと、北米市場の要求に合わせた点が見られる。

販売終了は本国よりも約1年早く、96年夏に終了している。 これはQ45がフルモデルチェンジし、2代目Q45(日本名:シーマ)に移行したためである。