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○油圧アクティブサスペンションの研究

車高センサーを弄る意味

当然ながら、アクティブサスは油圧と電子制御により姿勢をコントロールしているわけであり、 それらの情報を検知するために多数のセンサーが車体各部に仕掛けられています。

その中で車高センサーというのは、車高を決定する最も基本的な要素であり、 実際コレを弄る事で特にフロントは5cmくらいは簡単に車高が変わってくれたりします(リヤはあまり変わらない)

また、CONSULTによるシステム監視をすると分かるのですが、車は車高の現在値を絶対値で捉えております (つまり、基準となる高さから何mmか?ということをそのまま何mmという数字で見ている)。

そのため、ローダウンを行うにしても機械が最適な制御を実現するためには、 エアサスコントローラで車高の値を誤魔化してローダウンするよりは、 車高センサーを調整することによる「正統派」のチューニングによりローダウンする方が、 恐らく制御上では好ましいのではないか?と考える次第なのであります。



考えられる効果

アクティブサスは平常時でも「制御限界」というものが設定されており、 たとえば大きな段差に乗り上げるなどして、車の水平が連続的かつ大幅に保てない状況が生まれたとすると、 アクティブサスはシステムの限界を超えるのを防ぐために姿勢制御を停止します。

これ自体は全く正常な動作であり、段差から降りるなどして再び最適な姿勢制御が可能な状態になれば、 再び姿勢制御は再開されます。

では、これが何を示すかと言うと、エアサスコントローラで過度のローダウンを行った時に発生する、 いわゆるローロックなどの現象は、これに関連する動作であると考えられます。

つまりのところ、エアサスコントローラで車高を下げれば下げるほど、機械から見えている車の状態と、 実際の車の状態にズレが生じてくるわけでありまして、それが限度を超えてしまうと センサーの入力値に対してサスストロークが大きすぎるなどの理由で、 「大きな段差に乗り上げた状態である」などと機械が認識するため、 ローロックのようなバックアップ状態が発生するものと筆者個人では考えています。

つまり車高センサーの調整では、正しく車に車高の状態を認識させることで、 不必要なバックアップ状態の発生を防ぎ、尚且つ機器への負担を最小限に抑える手段になるのではないか?と考えるわけです。

また、エアサスコントローラの不自然な補正を含まない、 正しい信号が車に認識されることで、車自体の姿勢制御の精度も上がるのではないか?という期待も持っています。



車高調整の罠

しかしのところ、センサーを利用した車高調整には本来CONSULTによる車高調整モードの利用と、 検出している車高の値、そして実際の車高の状態を総合的に勘案した上で調整せよという風に指定されております。

ですが、簡単に言えば車高調整モード自体は、センサーが出力してくる車高の設定値に常に4輪を固定するのみの機能のようなので、 おそらくCONSULT無しで車高センサーを弄っても、キッチリセンサーを調整しきる自信があるのならば問題ないものと考えられます。

では、何故わざわざ「車高調整モード」など設けられているのか。 それは多少センサーからの入力がバラついていても、「多少」の誤差ならば自動的に平常通りの車高になるように車が「補正」してしまうからと考えられます。

つまり、コンサルトや要領書の手順に従わずに車高を調整しても、車高自体は変わる。 しかし、それがたとえバランスが大きく狂った状態でセッティングされても、車は何とかバランスを保とうと補正してしまうため、 一見では全く車高が「狂っている」ようには見えない可能性があるのです。

その上、常に補正されるということは常に車高自体は一定に見えてしまう可能性が高いので、 車高調整モード無しでは目測で車高を少しずつ合わせていく、という作業も間違いなく不可であると考えられます。

つまりそのことにおいて、どのような不具合が考えられるかというと、 その状態が平常時でも「誤差」で収まる範囲ならば問題ないでしょうが、 仮に大きくバランスが狂った状態で走り出せば、停まっている時は全く問題無くとも走り出した途端補正範囲を超えて警告灯が点灯する事態にもなりかねない、 というワケなのです。

※要はサスのセンサー類というのは、電圧の変化によってそれぞれの状態を検出している。 で、センサーが異常と判定される条件にはその電圧の異常がある。そういった「素人作業」で機械の限度を超える範囲の入力が入るようになれば、 センサー類が発信する電圧は異常な数字になる。そうなれば当然機械はたとえモノが正常でも「異常」と判断するワケだ。



車高調整の罠(2)

原理の上から言えば、センサー調整で車高を落とした上で、更にサスコンでのローダウンを加えれば、 各社のサスコンのスペック以上のローダウンが可能となるわけです。

(要はセンサー調整で車高が変わっても、それはサスコンのように信号を誤魔化しているわけではなく、 そこが車高の基点となるため、そのポイントから更に車高が落ちていく)

ところが、そこで問題となるのがローロックなどの原因であろう、バックアップ機能。

筆者の考えでは「サスコンは使わない」ことを大原則としたいので、 実際にはこのポイントに関しては考える必要は無いのですが、 単純なセンサーとサスコンのダウン量の合計値では、 センサーの調整限度次第ではストロークの限界ギリギリまで車高が落ちるものと考えられます。

ですが、報告によればセンサーで落とした後に更にサスコンでのローダウンを重ねたところ、 ほとんど車高が下がらなかったという例も存在するようであります。

これはセンサーの調整状況等が不明でありますので、 ひょっとすれば単なるセンサーの調整不良が起因している可能性もありますが、 結局サスストロークが減れば減るほどバックアップ機能が働く可能性が高まるわけであり、 限度を超えたローダウンを施せばただ車高を下げていくだけでもそういう領域に突入し、 車体制御が停止してしまう(=車高が下がらなくなる)可能性もあると考えられます。